――まず、経歴について教えてください
福島県いわき市で出生。 地元の磐城高校を卒業後、東北大学法学部に入学し 1966年(昭和41年)3月卒業。その年の10月に司法試験合格。翌年に司法修習生に採用される(21期生)。
1969年(昭和44年)4月、京都弁護士会に登録。京都第一法律事務所に入所し、2005年(平成17年)4月まで36年間在籍。
この間に自由法曹団京都支部の事務局長,幹事長を務めたりして,悪法反対や権利擁護のたたかいに参加してきました。
また弁護士会関係では,1994年(平成6年)度の京都弁護士会会長と日本弁護士連合会(日弁連)理事を務め、さらに司法改革真っ只中の2002年(平成14年)度に日弁連副会長を務めています。その後も日弁連の司法改革運動に参加し,日弁連の司法改革実現本部の本部長代行や「裁判官制度改革・地域司法改革推進本部」の本部長代行などを歴任しました。
2005年5月,独立して川中法律事務所を立ち上げ,現在に至るということです。
――公職を経験されたことはないのですか?
川中 弁護士会は公法人ですから,その役員も公職と言えば言えるのですが(公務執行妨害罪の適用を受ける),そのほかには家庭裁判所と簡易裁判所の調停委員を務めたことくらいでしょうか。調停委員は日弁連副会長になって東京に常駐する準備のために辞任しました。
――だいぶお年をとられてからの独立開業ですが、ご動機は?
川中 前の事務所(京都第一法律事務所)は、弁護士が17人もいる集団事務所でした。集団事務所の場合はいろんな意味でチームプレイですから、たとえて言えば、チームの一員として時間いっぱいグラウンドを走り回らなければならないわけです。そこにやり甲斐も楽しさもあったわけで、労働事件などの勝利を目指して走り回っているうちに、あっという間に36年も経ってしまいました。しかし、齢60歳を超えると、いつも走り回っているような仕事スタイルは、体力的にも気力的にもしんどくなってきた。それで、これからは自分なりのペースを保って仕事をした方が、永く、いい仕事が出来るのではないかと思ったのが発端です。幸い前の事務所の皆さんも快く了解をしてくれましたので、遅まきながら独立に至ったわけです。
――どんな事務所を目指されていますか?
川中 相談者や依頼者の方々の話をよく聞き、親切で誠実な事件処理を心がけるなどはプロフエッショナルとして当然の前提だと思います。
私の場合、前にいた京都第一法律事務所は、働く人たちや社会的弱者の暮らしと権利を守るために、様々な事件や運動に取り組んでいる、いわば「民衆の弁護士」の事務所でした。
民衆の弁護士(peoples lawyer)と言う言葉は、もともとは営利追求型のビジネス弁護士ばかりしかいないと思われていたアメリカで、民衆の立場に立って、庶民の様々な人権の擁護に命がけでたたかっている少数の弁護士たちにつけられた名称です。
私は、個人事務所になってからでも、またいくつになっても、弁護士の基本的スタンスとして、「正しくして弱き者」のためにたたかう「民衆の弁護士」であり続けたいと思っています。
――どんな弁護団に参加していますか
川中 ひとつは,東日本大震災被災者支援京都弁護団(団長)
3.11の後,福島県から800人くらいの人が京都市に避難してきていますが,主にその人 たちの法律的サポート(損害賠償請求など)を務めています。
もう一つは,大飯原発差止訴訟京都弁護団
昨年(2012年)11月,福井県にある大飯原発差し止めの裁判を1107人の原告で提訴しました。
――最後に、趣味はどんなものを?
川中 普段は読書ですね。好きな作家は井上ひさしや藤沢周平(昨年山形県鶴岡市の藤沢周平記念館を訪ねてきました)。この頃は親鸞に惹かれるものがあって、阿満利麿氏や山崎龍明氏の著作など浄土真宗関係の本を読むことが多くなっています。
アウトドアとしては山歩き(但し、低山徘徊)とスキーです。スキーは50歳を過ぎてから始めたのですが、まだかなり凝っています(但し、コブなしゲレンデで)。だが、いま一番凝っているのは、孫(5人に増えました)と遊ぶことです。
こんにちは、弁護士の白土哲也です。
――出身・経歴
私は、福島県いわき市の小さな漁村で生まれました。
実家は、北洋や南太平洋などの遠洋漁船や地元の大工さんを相手に雑貨や金物を商う店をやっており、古い町の昔ながらの人間関係の中で育ちました。
金沢で大学生活を送った後、弁護士なるまでは、当事務所で事務員をしておりましたので、弁護士との依頼者さんとの間に立った経験を生かして、きめ細かい対応に努めたいと思います。
――趣味
落語を聞くことが好きで、集めたCDやラジオを録音したカセットテープはそれぞれ100枚を超しました。今はなかなか時間が取れませんが、以前は東京の寄席にちょくちょく通っていました。
落語の魅力は、登場人物に悪人がいないことです。それぞれのキャラクターが、めいめいの性分や欲や恥をさらけ出して暮らしていながら、自由なコミュニケーションを取り合いながら、何となく世間に身の置き所があるという大らかさに魅かれます。
相談者やご依頼くださった方が、落語の登場人物のように大らかな気持ちで、平穏な暮らしを取り戻せるようなお手伝いをしたいと思います(多少強引なまとめですが…)。
――悩むよりも、まず相談してください
突然風邪をひくように、日々の生活の中でトラブルに巻き込まれることは、誰の身にも起きることです。突然のトラブルに遭った時には、近所のお医者さんやかかりつけ医の診断を受けるのと同じように、まず弁護士に相談してみてください。
法律相談が、全てのトラブルの第一歩です。
――「おかしい」相談はありません
「こんな相談は弁護士に聞くようなことではないだろう」、「こんな相談をおかしいと思われるんじゃないか」などと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
私のような「マチベン(「町の弁護士」を弁護士業界ではこのように言います)」は、日々色々なご相談を聞いています。時には、ご本人も相談することを躊躇した末、「何が問題なのか分からない」とか、「法律的な問題かどうか分からないけれども、釈然としないから専門家に話を聞いてもらいたい」などと言って相談される方も数多く居られます。
ですから、どんな話を聞いても、「おかしい」などとは決して感じませんし、どうしたら解決できるかに思考が向きます。弁護士には、守秘義務がありますから、他人に話すこともありません。
――法律相談の目的は「見立て」です
もちろん、弁護士が入っても解決が難しい事案もありますし、弁護士に依頼したら費用倒れになるおそれのある事件もあります。そういうことも含めて、事件の「見立て」を行い、対策を考え、場合によってはご自分でできる解決策を提案するなどして、よりご当人のためになる、あるいは相談の意図に沿う対応を致します。
一度弁護士に話をして法律的な「見立て」を聞くだけでも、今後の展望、踏ん切りや諦めが付くことも往々にしてあります。納得のいかないことを一人で抱えて悶々としていることは、精神衛生的に良くありません。
――ご依頼後の事件対応について
法律問題の解決には、裁判所の手続きと裁判所外での交渉に大きく2つに分かれます。
裁判手続きに時間がかかることは知られていますが、裁判外の交渉も相手のあることなので、相応の時間がかかる場合があります。それでも、可能なところはスピーディにフットワークの軽く対応し、こまめな「報告」「連絡」「相談」を心がけます。